バイクのマフラーやエキゾーストパイプ(エキパイ)は、排気ガスの高温にさらされるため通常の塗料では対応できません。一般的な塗料を使うと、エンジン始動後すぐに塗膜が焼けて剥がれます。
マフラーの塗装には耐熱塗料(ヒートペイント)を使用する必要があります。この記事では、耐熱塗装の手順とコツを解説します。
耐熱塗料とは
耐熱塗料は、200度~600度以上の高温に耐えられるよう設計された特殊な塗料です。シリコン樹脂やセラミック成分を含み、通常の塗料では不可能な高温部分の塗装を可能にします。
バイクのエキパイは排気温度で300度~600度にもなるため、最低でも600度対応の耐熱塗料を選んでください。
耐熱塗装の手順
ステップ1:マフラーを取り外す
車体に付けたまま塗装すると、塗料ミストがエンジンやフレームに付着します。必ず取り外して単体で作業してください。
ステップ2:旧塗装とサビの除去
耐水ペーパー(240番~400番)でマフラー全面を研磨し、旧塗装、サビ、焼け色を除去します。ステンレスマフラーの焼き色(ブルーやゴールドの変色)も研磨で除去できます。
広範囲のサビにはサンドブラストが効率的です。マフラーは形状が複雑(特にエキパイの曲がり部分)なため、ブラストガンの角度を変えながら全面を処理してください。

ステップ3:脱脂
シリコンオフで全面を脱脂します。研磨後の金属粉もこの段階で完全に除去してください。
ステップ4:耐熱塗料の塗布
耐熱塗料は通常の塗料よりも粘度が高い傾向があります。スプレーガンの圧力をやや高め(2.0~2.5気圧)に設定すると、均一に吹き付けやすくなります。
2~3回の重ね塗りで十分な厚みを確保します。各回の間に10~15分の乾燥時間を置いてください。
耐熱塗料の上にウレタンクリアは塗りません。耐熱塗料は単独で完結する塗料です。
ステップ5:焼き入れ(ヒートキュア)
耐熱塗料は、高温での焼き入れを経て初めて本来の耐熱性能を発揮します。
マフラーをバイクに装着し、エンジンをかけて30分~1時間程度アイドリングします。初回は塗料から煙が出ることがありますが、これは塗料中の溶剤が蒸発している正常な反応です。
焼き入れが完了すると、塗膜が硬化してマフラーの高温に耐える塗装が完成します。

耐熱塗装の色の選択肢
耐熱塗料のカラーバリエーションは通常の塗料より限られますが、マットブラック、シルバー、ガンメタリック、つや消しクリアなどが一般的です。マットブラックが最も人気があり、エキパイの無骨な雰囲気を引き立てます。
まとめ
マフラーの耐熱塗装は、耐熱塗料の使用と焼き入れ工程を押さえれば、DIYで十分に実現できます。エキパイの焼け色やサビをリセットして、新品のような外観を取り戻してください。
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