ガレージ作業と塗装

塗装 コンプレッサー 必要空気量【失敗しない選び方ガイド7選】

塗装 コンプレッサー 必要空気量【失敗しない選び方ガイド7選】

塗装 コンプレッサー 必要空気量を正しく理解すれば、塗装ムラや圧不足といった失敗を防ぐことができます。コンプレッサーは「動けばよい」というものではなく、使用する塗装ガンや作業内容に合った空気量を確保することが重要です。本記事では、初心者の方にもわかりやすく、必要空気量の考え方から用途別の目安、よくある失敗例までを詳しく解説します。

塗装で「必要空気量」が重要な理由

塗装作業では、コンプレッサーから供給される空気によって塗料が霧状に分解され、対象物に均一に付着します。必要空気量が不足していると、塗料が細かく霧化せず、ムラやザラつき、色の濃淡が発生しやすくなります。

特に自動車や家具など、広い面積を連続して塗装する場合は、空気量不足が顕著に表れます。一時的に圧が足りていても、連続使用で圧力が下がると仕上がりに大きな差が出てしまいます。そのため、塗装では「圧力」よりも「必要空気量」が重視されるのです。

コンプレッサーの基礎知識

吐出空気量とは

吐出空気量とは、コンプレッサーが1分間に送り出せる空気の量を示す数値で、単位はL/min(リットル毎分)が一般的です。塗装用途では、この吐出空気量が塗装ガンの消費空気量を上回っている必要があります。

タンク容量との違い

タンク容量は、空気を一時的に蓄えられる量を示します。タンクが大きいと短時間の作業は楽になりますが、連続塗装では吐出空気量が不足していると、すぐに圧が低下します。塗装用途では、タンク容量よりも吐出空気量を優先して選ぶことが重要です。

塗装ガンの種類と空気消費量

スプレーガン(重力式・吸上式)

一般的なスプレーガンは、1分間あたり150から300L程度の空気を消費します。自動車やバイク、家具など、広い面積を塗装する用途に向いています。高品質な仕上がりを求めるほど、安定した空気供給が必要になります。

エアブラシ

エアブラシは空気消費量が少なく、10から40L/min程度が一般的です。プラモデルや小物、細かい模様の塗装に向いており、小型コンプレッサーでも十分対応できます。

塗装 コンプレッサー 必要空気量の計算方法

メーカー表記の読み方

塗装ガンの仕様書には「使用空気量」や「空気消費量」が記載されています。例えば「200L/min」と書かれている場合、その数値が最低限必要な空気量の目安になります。

連続使用を考慮した余裕率

実際の作業では、ホースの長さや気温、コンプレッサーの効率低下などを考慮する必要があります。そのため、塗装ガンの消費量に対して1.2から1.5倍程度の余裕を持った吐出空気量を選ぶのが理想です。

例として、消費空気量が200L/minのスプレーガンであれば、260L/min以上の吐出空気量を持つコンプレッサーを選ぶと安心です。

用途別の必要空気量の目安

DIY・小物塗装

DIYや小物塗装の場合、必要空気量は50から100L/min程度が目安です。エアブラシや小型スプレーガンであれば、家庭用の小型コンプレッサーでも十分対応できます。

自動車・バイク塗装

自動車やバイクの塗装では、250から350L/min程度の空気量が必要になります。100V電源のコンプレッサーでは性能の限界が近いため、作業を分けて行うか、余裕のある機種を選ぶことが重要です。

業務用・広面積塗装

業務用途や広い面積の塗装では、400L/min以上の吐出空気量が求められます。安定性と耐久性を重視し、大型タンクと高出力モーターを備えた機種が適しています。

よくある失敗と対策

タンク容量だけを見て選んでしまい、吐出空気量が不足するケースは非常に多く見られます。また、仕様ギリギリの数値で選ぶと、連続使用時に圧が下がりやすくなります。さらに、電源(100Vか200Vか)を確認せずに購入し、設置できないという失敗もあります。

これらを防ぐためには、吐出空気量を最優先で確認し、余裕を持った性能のコンプレッサーを選ぶことが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 必要空気量が少ないとどうなりますか
A. 塗料の霧化が不十分になり、ムラや垂れ、ザラつきが発生しやすくなります。

Q2. タンクが大きければ問題ありませんか
A. タンクが大きくても、吐出空気量が不足していると連続塗装では圧が下がります。

Q3. 家庭用100Vで車の全塗装はできますか
A. 不可能ではありませんが、休み休みの作業が必要になり、作業効率は低下します。

Q4. エアブラシ専用ならどれくらいの空気量が必要ですか
A. 30から40L/min程度あれば、安定した塗装が可能です。

Q5. メーカー表記の数値は信用できますか
A. 理論値の場合が多いため、実際は余裕を見て選ぶことをおすすめします。

Q6. 静音性は重要ですか
A. 室内作業や住宅地では重要です。静音タイプを選ぶと安心です。

まとめ

塗装 コンプレッサー 必要空気量を正しく把握することで、仕上がりの品質と作業効率は大きく向上します。基本は「塗装ガンの消費空気量に1.2から1.5倍の余裕を持たせる」ことです。用途に合った性能のコンプレッサーを選び、安定した塗装作業を実現しましょう。

参考情報
日本塗装機工業会 https://www.jpma.or.jp/

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