長期間放置していたバイクのエンジンがかからない。アイドリングが不安定。加速がもたつく。こうした症状の原因として最も多いのが、キャブレターの詰まりです。
キャブレター内部のジェット類(燃料の通り道となる小さな穴)にガソリンの変質物が詰まると、適正な燃料供給ができなくなります。
キャブレタークリーナーで汚れを溶かした後、エアーガン(エアブローガン)で各穴を吹き通すことで、詰まりを確実に解消できます。この記事では、エアーガンを使ったキャブレター清掃の手順を解説します。
キャブレターが詰まる原因
ガソリンは時間の経過とともに酸化・変質し、粘性のあるワニス状の物質に変わります。この変質物がキャブレター内部のジェット(メインジェット、パイロットジェット、ニードルジェットなど)の微細な穴に固着して詰まりを引き起こします。
特に3ヶ月以上ガソリンを入れたまま放置したバイクでは、キャブレターの詰まりが高い確率で発生しています。
清掃に必要な機材
キャブレタークリーナー(泡タイプ推奨)、エアーガン(エアブローガン)、コンプレッサー(30L以上推奨)、各種ドライバー・スパナ(キャブレター分解用)、ウエス、パーツトレイ。
エアーガンはコンプレッサーに接続して使用するガン型のノズルです。トリガーを引くと先端から高圧の空気が噴射され、キャブレターのジェットの穴を貫通させて詰まりを除去します。
清掃手順
ステップ1として、キャブレターをバイクから取り外します。インシュレーター(ゴム管)とスロットルケーブル、燃料ホースを外し、本体を取り出します。
ステップ2として、キャブレターを分解します。フロートチャンバー(底のカバー)を外し、フロート、フロートバルブ、メインジェット、パイロットジェットを取り外します。小さな部品が多いため、取り外した順番がわかるようにパーツトレイに並べてください。
ステップ3として、キャブレタークリーナーを各穴と通路にスプレーします。ジェットの穴、各通路の入口と出口、フロートチャンバー内部に十分にクリーナーを吹き付け、5~10分放置して汚れを溶かします。
ステップ4として、エアーガンで各穴を吹き通します。コンプレッサーの圧力を0.3~0.5MPa程度に設定し、各ジェットの穴にエアーガンの先端を当てて空気を吹き込みます。穴の反対側から空気が抜ければ、詰まりが解消されています。
メインジェットは穴が比較的大きいため通りやすいですが、パイロットジェットは穴が極めて細い(0.3mm程度)ため、詰まりがしつこいことがあります。エアーが通らない場合は、クリーナーの浸漬とエアブローを繰り返してください。
ステップ5として、キャブレター本体の各通路にもエアーを通します。スロットルバルブの穴、エアスクリューの通路、スタータージェットの穴など、すべての通路にエアーを吹き込んで清掃します。
ステップ6として、各部品を組み直し、バイクに装着します。

エアーガンを使う際の注意点
圧力を上げすぎないでください。キャブレター内部のガスケットやOリングが高圧で損傷する恐れがあります。0.5MPa以下で十分です。
ジェット類の穴に針金や細い棒を通して掃除する方法は推奨しません。穴の内径が変わってしまい、燃調が狂う原因になります。クリーナーで溶かしてエアーで吹き飛ばすのが正しい方法です。
キャブレター清掃は空気消費量が少ないため、コンプレッサーのタンク容量は30Lあれば十分です。ただし、塗装やタイヤ交換にも使いたい方は50Lを選んでおくと後から困りません。

まとめ
キャブレターの詰まりは、クリーナーで溶かしてエアーガンで吹き通すのが最も確実な清掃方法です。コンプレッサーとエアーガンがあれば、自宅のガレージでキャブレターのオーバーホールが完結します。
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